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はじめてのアーユルヴェーダ -キホン編-

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アーユルヴェーダとヨガの関係性とは?3つの大切な要素を詳しく解説します!

皆さまもご存知のヨガ(正式表記はヨーガ)とは、アーユルヴェーダにおいてとっても大切なキーワード。いろんなアーユルヴェーダサロンやスクールのホームページをみても、ヨガのクラスや指導が充実していることがわかります。

しかし、あまりにも当たり前のようにヨガについて語られているため、そもそも「アーユルヴェーダとヨガってなにが違うの?」「どんな関係があるの?」という、初歩的な疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

今回は、アーユルヴェーダとヨガの歴史から、アーユルヴェーダにおけるヨガの位置づけ、さらにはヨガで重要とされている3つの要素にいたるまで、詳しく解説します!

アーユルヴェーダとヨガは姉妹。誕生の歴史は?

ヨガは、インドの6派哲学のひとつ。アーユルヴェーダと同じく、「ヴェーダ」から派生した哲学と心・身体・意識のテクノロジーです。「ヴェーダ」とは、紀元前1000年から500年ごろ、インドで編纂(へんさん)された文献からはじまっており、直訳すると「知識・科学」という意味を持っています。

さらに、アーユルヴェーダの知恵は、実は賢者たちが、ヨガの瞑想をしていたときに覚智(かくち)したものだといわれています。つまり、いまではすっかり皆さまの生活に親しまれているヨガですが、アーユルヴェーダとは姉妹のような関係なのです。

ヨガというと、一般的には、「身体のやわらかい若い女性が行うダイエット」のようなイメージが浸透しているように思います。ですが、身体のやわらかさは関係ありません。なぜなら、アーユルヴェーダと同じように、身体・心・意識を複合したホリスティックなテクノロジーだからです。

ヨガは3つの要素から成り立ちます

ポーズ、呼吸法、瞑想法から成り立ちます

ヨガは、調身(ポーズ)、調息(呼吸法)、調心(瞑想法)の、3つの要素から成り立ちます。これらを実践することで、身体・心・意識によい影響を与え、美容健康、心の状態などが向上していきます。

特に、健康面においては、心臓病や糖尿病などの生活習慣病の予防、老化防止などの効果が得られることが、現代の科学的な研究によって明らかになってきました。また、中国の気功も、実はヨガであると考えられています。

ヨガとは?哲学・心理学などを包括した大きな体系

「◯◯ヨガ」という言葉をよく聞くようになりました。さまざまな形態のヨガが存在します。しかし、どれにも共通していえることがあります。それは、ポーズや瞑想など、心と向き合う時間を通して、自分自身に気づくこと。さらには、内なるアーユルヴェーダの知恵や、宇宙の叡智(えいち)にまで気づいていくこと。

ヨガは、壮大な哲学・生理・心理・霊的体系です。そのため、実践する人びとの意識までも変革する力を秘めています。

ヨガは最近日本に入ったものではありません。すでに「瑜伽(ゆが)」として、1500年前には日本に輸入されています。現代のヨガはアメリカのセレブが行っていることから、日本にもファッション、美容として広がりましたが、実は明治から昭和にいたるまで、精神集中やイメージ法として、実業家や政治家を中心に広く知られている時代がありました。

自分とは何者なのか、宇宙とはなんなのか。それを感じ、理解していく特別な時間を得られるのです。

要素1 調身(ポーズ)ってなに?

「ヨガ=ポーズ」はよくある勘違い!むしろその先が大事です。

調身とは、ポーズをとることを意味しており、「アーサナ」とも呼ばれます。
とても多い勘違いは、ポーズを行うアーサナだけがヨガであると思われていること。皆さまも、ヨガといえばポーズを連想するのではないでしょうか。アーサナのイメージが強いため、「身体がやわらかくないとヨガはできないよね」と誤解してしまっているケースもみかけます。

確かに、アーサナは一番派手で目立ちやすく、明確な効果も感じやすいものですが、アーサナだけではなく、アーサナのあとに実践する呼吸法や瞑想法のほうが、むしろヨガにとっては重要です。

アーサナは、いわば準備段階のようなもの。なぜなら、次に行うプロセスにおいて、内なる自分に気づきやすくなるような作用を持っているからです。呼吸法や瞑想法を行うときに、自分の内側に集中しやすくするために、事前に柔軟性を高めておく段階、と考えてもよいでしょう。ヨガは思っている以上の効果と副産物が多いのです。



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アーサナ、呼吸法、瞑想法は、同時に行われるべき?

アーサナのあとに呼吸法、瞑想法を行う。それがヨガのポピュラーな考え方です。
しかし、一方では、3つは同時に行われるべきとする考え方も存在します。アーサナをゆっくりと行うあいだに、呼吸法と瞑想法を同時に行っていくのです。実は、中国の気功でも同じことがいわれています。

インド哲学者であり、ヨガの実践指導指揮者でもあった故・佐保田鶴治博士は、ヨガを実践するコツとして、次の4つをあげています。

①動作はできるだけゆっくりする。
②動作中は身体と呼吸に絶えず注意を向ける。
③動作による緊張の次にはリラックスする。緊張よりむしろ弛緩を大切に。
④腹八分で節食を心がけながらヨガを行う。
今回は、3つをそれぞれ分けて紹介しますが、こんな考え方もあることを知っておきましょう。

要素2 調息(呼吸法)ってなに?

ただの深呼吸ではありません

調息とは、呼吸法のこと。深呼吸のようなものをイメージされる方が多いかと思いますが、それは少し違います。ただ酸素をたくさん取り込み、二酸化炭素をたくさん吐き出すのではないのです。呼吸法は「プラーナーヤーマ」と呼ばれ、「プラーナ=気」、「アーヤーマ=コントロール」を意味します。気(元気・活気・根気・本気など)を制御し、バランスするための呼吸を、できる限りゆっくり、ゆっくりと行うことが大切です。 ゆっくり、スローモーションで呼吸すると、あたかも息が止まっているかのような状態を体験できます。これを「ケーバラクンバカ」と呼びます。肉体と心のかけ橋である息が止まるため、「心のさまざまな思い・考えが止滅される」という状態が生まれます。

その、呼吸することを忘れた時間こそが、ほんとうにヨガを実践していることになるのです。なぜなら、心が止滅しているにもかかわらず、呼吸が脳内の血流を増加させ、脳活動をむしろ活発化させていると推定できるから。ヨガの初心者と熟練者を比べても、やはり熟練者の呼吸ほどゆっくりしている傾向がみられます。

呼吸ひとつで、脳の活性化が促されます

脳活動が活発になることについて、もう少し専門的に解説します。
まず、座位での呼吸法によって胸腔内圧や腹腔内圧を変動させると、脳内の静脈洞の血流は、内頚動脈(ないけいどうみゃく)ではなく椎骨静脈叢(ついこつじょうみゃくそう)に多く流れていくことがわかっています。つまり、どういうことかというと、呼吸法は呼吸筋を鍛える体操になるとともに、脳内の静脈から背骨の椎骨静脈叢への血流をうながすことになるのです。

実際、呼吸法を行っているときの脳血流を調べると、熟練者の場合は増加していることがわかりました。一方、初心者ではほとんど変わらないか、むしろ減少しています。熟練者のようにゆっくりと呼吸して、脳活動を高めましょう。

要素3 調心(瞑想法)ってなに?

無念無想の静寂を体験する

瞑想とは、静寂を体験する方法です。なにかに集中するのではなく、外も中も静寂にして、雑念を消していきます。意識が意識をただ眺めるだけの境地。時間も空間もなくなる、無念無想の静寂です。その静寂の中で、内なるアーユルヴェーダ(生命)の知恵の声に、そっと耳を傾ける。そのための方法ともいえるでしょう。

雑念への対処方法「マントラ」とは?

とはいえ、雑念を消すのは難しいこと。ただ雑念を消そうとしても、むしろそれが雑念となって消えません。どうやって対処するかというと、「雑念をもって雑念を制する」のです。「マントラ」と呼ばれる言葉、つまり雑念を用いて、わき上がる雑念に対抗します。

具体的には、息を吸うときには「ソー」、吐くときには「ハム」という言葉を、心の中で繰り返します。あるいは、「調和・喜び」などの言葉をゆっくりと繰り返すことで、これらキーワードとキーワードのあいだのギャップ間において、思いと思いのすき間が生まれ、無念無想の静寂を体験できるといわれています。

そのギャップでは、至福感を感じられます。時間の感覚がわからなくなり、自分自身の身体がどこにあるのかわからない状態になることもあります。なのに、心は静寂の中で、「いま、ここにすべてがある」という至福感に満たされるのです。

時間と空間を越えたとき、免疫機能がアップする?

このような瞑想体験の途中では、身体の代謝は非常に低下します。さらには酸素摂取量、二酸化炭素排泄量が低下することで、活性酸素の発生も極小になり、免疫機能も最大に高まります。このような至福の体験を、瞑想のあとも維持できるのが、解脱(げだつ)状態だとする考え方もあります。

ヨガはまだまだ奥が深い

今回は、アーユルヴェーダとヨガの関係性と、ヨガの基本的な考え方について解説しました。つまり、ここはまだ入り口。自分自身を知るというヨガの考え方を忘れずに、よりアーユルヴェーダとヨガについて興味を持っていただき、これからは実際のアーサナ、呼吸法、瞑想法に取り組んでみてください!

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