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ピッタの食事法を紹介!食材、味など、アーユルヴェーダの体質別食事のポイント。


 

どうして体質別に食事を変えるの?

アーユルヴェーダでは「何を」食べるかのほかに「誰が」「どう」食べるかを大切なポイントにしています。

私たちは兄弟家族であっても同じ体質とは限りません。また消化が弱っていたり、代謝が低くなっているなど体調の違いもあります。夏の暑さにすっかり体力が落ちているときでも、食欲の秋とばかりに消化力が高いこともあります。アーユルヴェーダではいつも同じものを同じように食べるよりも、そのときの体調や自分の体質を見極め食事をすることを大切にしています。

ピッタの食事法・基本的なポイント

ピッタは火の性質を持ち、熱く、乾燥して、軽い質があります。ピッタが乱れると、熱と鋭さが体内に増えて、炎症などを引き起こしやすくなります。ピッタをたとえるなら「情熱の火」。クールミントガムのような、爽やかさが大切です。

熱いものの食べすぎに気をつけて

火のエネルギーを持つピッタ。熱性はピッタを増やし、炎症などの症状を引き起こすことになります。ひりひりした味の辛味の強い物や匂いの強いものなどは注意です。熱いもの、暑い環境、激論で熱くなっているときなどもピッタを増やします。さらには、イライラしたり、腹を立ててやけ食いすると、余計に火の性質を増やすことになります。

ピッタの人におすすめの食材

穀物 米、小麦、あわ、ひえなどの雑穀、大麦、オートミール
豆類 豆腐などの大豆製品、そら豆、グリーンピース、ムング豆
野菜 アスパラガス、オクラ、カボチャ、カリフラワー、キャベツ、キュウリ、ごぼう、こんにゃく、サツマイモ、さやんげん、
ズッキーニ、セロリ、さといも、大根、ナス、白菜、ピーマン、ブロッコリー、ほうれん草、もやし、レタス、れんこん
果物 アプリコット、いちご、いちじく、柿、キウイ、さくらんぼ、ざくろ、すいか、なし、パイナップル、ぶどう、レーズン、
プルーン、メロン、もも、ライム、洋ナシ、赤いリンゴ、柑橘類は酸味がないもの
乳製品 ギー、牛乳
ギー、オリーブ油、ひまわり油、ココナッツ油
ナッツ類 かぼちゃの種、ひまわりの種、皮をむいたアーモンド
甘味類 粗製糖、氷砂糖
スパイス コリアンダー、カルダモン、サフラン、ターメリック、クローブ、シナモン、ナツメグ、リコリス
ハーブ ミント
肉魚 食べるなら鶏肉、小エビ、ターキーを少量 
その他  水、青汁、フルーツジュース、生野菜、くだもの

おすすめの理由

日本の旬の素材を考えてみると、夏の暑い時期にはウリ科のものが多く取れます。
ピッタをバランスする素材を考える時には、夏の旬のものが大きなヒントになります。基本的に暑い季節や暑い気候の場所に生育する作物は、ピッタを鎮静化します。
 
また、甘味の穀類、苦み渋みの緑黄色野菜はピッタをバランスする素材と考えてよいでしょう。スパイスの中では、カルダモンが甘味と清涼感を持ちます。
 
またパクチー、いわゆるコリアンダーはタイ、インドネシア、南インドなど暑い国で常食されます。これはピッタを減らす素材だからです。また同じインドでも、ココナッツは北インドでは見かけませんが、南のインドに行くとそこらじゅうで見ることができます。ほかにも、スリランカやハワイ、タイ、バリ島などにも生息しています。そこから取れるココナッツ油やココナッツオイルは、これらの国で食事からマッサージオイルとしても使用されます。


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ピッタの人が控えるべき食材

ピッタには火の食材の持つ性質:熱、鋭くヒリヒリしている、匂いがきつい、つやがあるものなどからもピッタには注意が必要です。食材を選ぶ際、以下を参考に活用してみてください。

玄米・トウモロコシ、酸味の強いトマト、生のたまねぎ、にんにく、唐辛子、サワークリーム、チーズ(ハードで酸味の強いもの)有塩バター、はちみつ(適量は可)、ごま油、コーン油、アーモンド油、チリペッパー、マスタードシード、酸味の強い果物類(オレンジ、レモン、パイナップル、ベリー類)、乾燥しょうが、など

控えるべき理由

上記のものはピッタと同質の熱と鋭さなどを併せ持っています。そのため、火の性質を増やし、ピッタの過剰から起こる炎症や下痢、イライラ感などを引き起こす可能性を持っています。味としては、塩味には火と水のピッタに関係するエネルギーが含まれます。ピッタは塩分を控えめにすることも大事なバランス法と言えます。
 

ピッタの人の味(ラサ)選び

味と五元素の関係

アーユルヴェーダでは、1回の食事で、6つの味をバランスよくとることが大切だと考えられています。それぞれの味が特定の消化系統を刺激するため、体内の組織の発達にとって欠かせません。そのため、体調をととのえるには、6つの味のさじ加減を細かく調整する必要があります。

ピッタをバランスする3つの味

甘味 地・水 油性、冷たい、重い V↓ P↓ K↑(↑増↓減)
苦味 風・空 粗い、冷たい、軽い V↑ P↓ K↓
渋味 風・地 粗い、冷たい、軽い V↑ P↓ K↓
塩味は火と水のピッタの代表格の味です。自分の中でピッタが多くなっている症状を感じたら、まずは塩辛さをもつ物の摂取を減らし、甘味のものを少しとるようにするなど毎日の生活の中で生かしてみましょう。ただし岩塩はピッタを増やさない塩味です。

3つの味の特徴
甘み:冷性のため過剰のピッタを減らす味とされています。ここでいう甘いものとは、お砂糖などの甘味というより、たとえば麹の甘味、お米や小麦の甘味などです。
 
苦み:すべての人に薬効。身体の毒を消し、臓器の調子を調え肝臓をきれいに皮膚病を防ぎます。ピッタに有効。アルカロイドやグルシコドなどを含むターメリック、アロエべラ、ニームの葉、レタスなど。
 
渋み:使われる量は微量。構造上の特性は病気を治す働きがあります。分泌をおさえ、6つの味の中では完全なもの。風と地の要素で木の樹皮からとれるタンニンの多いお茶や、ほとんどの豆類に含まれる。

朝昼晩、時間帯・タイミング別の食事法

自然界のあらゆるものにヴァータ、ピッタ、カパの質があるとアーユルヴェーダでは考えます。一日の時間もまたヴァータ・ピッタ・カパの質を持ちます。
 
午前午後ともに10時から2時はピッタの時間です。
 
昼の12時ごろの昼食はピッタの時間となります。ピッタの時間は火の力が高く消化力が旺盛です。外では太陽が一番高く昇り、消化の火が燃え盛り、消化液がよく分泌されます。一日の中では少し重いものをいただいてもきちんと消化できる時間帯とされています。
夜の22:00~2:00までのピッタの時間は、成長ホルモンの分泌にかかわります。そのためこの時間は夜食等、飲食は口にせず充分に睡眠をとることが大切です。


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ピッタの朝食・ブレックファースト

1:朝の定番といえば卵ですが、卵はとりすぎるとピッタを増やします。
2:和食の納豆や焼き魚もピッタを増やしやすいもの。
3:パン食のバターは有塩のものはピッタを増やしやすいので、無塩バターがお勧め。
4:理想は果物。ですが酸味の強いものは控えます。

ピッタの昼食・ランチ

ランチは一番消化の火が高い時間帯です。ピッタのランチは消化力に応じてバランスよくしっかりいただきます。
 
1:6つの味:甘味・塩味・酸味・辛味・渋味・苦味をバランスよくとります。
2:ピッタの過剰を感じる時。仕事でイライラすることがあったり...。その場合は辛味塩味酸味は少し控えめにしてみます。(ラーメン、酸辣湯、激辛のものなど注意)
3:食欲がきちっとある場合はある程度の量をいただきます。前日飲みすぎているような場合は野菜中心のランチにしてみましょう。
4:愚痴や文句を言いながらの食事は要注意。楽しい気持ちできれいな食器などで幸せ気分を満喫させてみます。

ピッタの夕食・ディナー

夜はピッタはもともとの食欲からがっつり食べてしまいがちです。しかもアルコールを一緒に おつまみから始まり、しめまでを油モノの取りすぎや、肉類を過剰にとりやすいので、夜はたまには野菜を多めにアグニ(消化力)を休ませるように軽めのものにしてみるのも健康なアグニにとって大切です。
 
1:ピッタは一番食欲があるドーシャです、だからと言って夜の食事のとりすぎは注意。
2:アルコールの過剰な摂取に注意。
3:肉の食べ過ぎに要注意。
4:ピッタは一番素材の質や自然なものがお勧めです。とかくすると調味料が効きすぎている味の濃い物を選ぶことがありますので気を付けます。
 
あんかけ野菜丼 
材料  (1~2人分)
白菜 1/8
人参 1/4
玉ねぎ 半個
青梗菜 1/2束
豚肉 50g
水 150cc
味醂 大さじ1
酒 大さじ1
醤油 大さじ1.5 
塩・こしょう 少々

①青梗菜以外の野菜を全てフライパンに入れ、蓋をして加熱。野菜の水分で柔らかくなるまで加熱する。
② その間に豚肉を茹で、脂抜きをする。(脂抜きをしっかり行うことがコツ:ピッタを抑えることになる)
③ 野菜が柔らかくなったら豚肉と青梗菜を入れる。
④水と調味料を加え味付けする。
⑤ 水溶き葛粉を加えてトロミをつけ、完成。(葛は熱性があるのでピッタが過剰の場合は片栗粉を使用)

季節に応じた食事法

アーユルヴェ-ダの考えの中には「自然に生きること」が根底に流れています。「無季節的な暮らし方」から「季節を生きる生き方」を大切にしています。それがリトウチャリヤー(季節に応じた過ごし方)です。季節はリトウと呼ばれ、季節や気象条件は土地や水、植物、動物さらに私たちに大いに影響を与えています。
 
常に変化し続けている環境と自分を適合させることは、健康を維持していくためにも大変重要なことです。季節に順応しながら毎日を送るヒントになさってみて下さい。
 
6月~8月はピッタの季節です。甘味と苦味の食材が適しています。ウリ類の冬瓜やスイカ、ゴーヤや胡瓜、ズッキーニ、南瓜などが適しています。

こんな食事はNG!ピッタの人の注意点

①愚痴や文句を言いながらの食事(イライラしながら食事をすると不消化を招きます)
②まずそうな表情での食事(満足感を満たすことが大切です)
③激辛のものを食べること(熱を溜めやすいため、辛いもの、体を熱くするスパイスは全てピッタを増加させます)
④アルコールを取ること(飲み過ぎなけれはいいですが、アルコールは火のエネルギーを持つためピッタを上昇させるので注意します。)
⑤肉や脂っこいこってりしたものの食べ過ぎ(消化器系の不調を起こしやすい傾向があります)
⑥激辛食品や酸っぱいもの、塩辛い物の摂取(塩分の性質は火と水を含むため、しょっぱいものはピッタを増加させます。)

自宅ですぐにできる!ピッタのおすすめ簡単レシピ

ゴーヤチャンプル
材料(2人分)
ゴーヤ 1本
木綿豆腐 1/2丁
豚もも薄切り 100g
卵 1個
もやし 1/4袋
しょうゆ 小さじ1
かつお節 少々
油 大さじ1
 
①豆腐は重しをして1時間水切りをする。その後手で大きめにちぎる。
②ゴーヤは縦半分に切り、種を取り5mm幅に切る。
③豚肉はひと口大にカット。卵は溶きほぐしておく
④フライパンに半分量のオイルを引き熱する、中火で豆腐を焼く。焼き色がついたらいったん取り出す。
⑤残りの油を足し、肉を炒め色が変わったらゴーヤを入れ火が通ったら豆腐を戻し、もやしを入れる。
⑥もやしがしんなりしてきたら、しょうゆを入れ、卵でとじる。
⑦仕上げにかつお節を散らす。 (ベジタリアンは豚肉なしでも可能です)


アーユルヴェーダには心身のバランスを調和する秘訣があります。
日本の旬の野菜や果実、食文化には季節に応じた心身のバランスするものが満載。

食事からアーユルヴェーダを深~く学びたい方におすすめ

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参考文献:
「これ1冊できちんとわかるアーユルヴェーダ」

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