はじめてのアーユルヴェーダ -キホン編-

3つのトリドーシャがバランスよく働けば健康、アンバランスになると病気の過程が進行

ドーシャという言葉には、サンスクリット語で「不純なもの」「増えやすいもの」「体液」「病素」などという意味があります。
これらは、目に見えないもので、中国医学でいう「気」つまり生体エネルギーに相当するものです。

それぞれの生体エネルギーは、それを構成する要素(五元素)が異なり、それぞれの性質と働きがあります。風のエネルギーであるヴァータは、空と風から構成され、軽、冷、動、速、乾燥性を持って、運動のエネルギーとして体内における運搬や循環、異化作用(細胞を分解する働き)を制御しています。中国医学では「气」に相当するものと考えられます。
火のエネルギーであるピッタは、火と水の元素から成り、熱、鋭、軽、液、微油性を持ち、変換のエネルギーとして、代謝や消化を制御しています。中国医学では「火の気(氣)」に相当するでしょう。【「火の気(氣)」については、「气(きがまえ)」の中は、本来「火」になります。】

水のエネルギーであるカパは、水と地の元素から構成され、重い、冷、遅、油、安定性を持ち、結合エネルギーとして、構造や体力を維持し、同化作用(細胞を作る働き)を担っています。中国医学でいう「米の気(氣)」に相当するものでしょう。

人体でたとえれば、カパはカルシウムとリン、タンパク質をくっつけて構造を維持する水のエネルギーの役目をしますが、ピッタは、胃の中に入ってきた食物を血や肉に変換します。ヴァータは、体の各所に栄養を送り、代謝された老廃物を排泄する循環や運搬の働きをしているのです。これらの3つのトリドーシャがバランスよく働けば健康で、アンバランスになると病気の過程が進行するというわけです。

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