はじめてのアーユルヴェーダ -キホン編-
ヴァータの特徴とは?性格や容姿、美容健康の注意点まで徹底解説!
今回のテーマはヴァータについて。風と空のエネルギーを持ち、物事を動かしていくヴァータ体質の皆さまの特徴をまとめてみました。
軽さや機敏さ、冷たさなどの性質が、性格や外見にどんな影響をおよぼすのか、美容健康にどうやって関わっていくのかなど、細かく解説していきます。
風のように軽やかに動き、空のように自由な性格のヴァータ。想像力に富み、理解が早く、記憶力や順応性にも長けているのが特徴です。学校や職場、家庭においても、「都会的に輝く存在」として注目されることが多いでしょう。快活な気質がとても魅力的です。
身長は低いか、もしくは高くてすらりとした痩せ型、どちらかの場合が多いでしょう。たまご型の顔に、小さな目とわし鼻、大小不ぞろいな歯並び。のっぺりスッキリした顔立ちをしています。皮膚は冷たく乾燥しており、筋肉質ではないため、血管やじん帯が浮き出てみえる方もいます。
寒がりで冷え性、日ごろから便秘を抱えている方が多いです。ほかにも、腹部膨満、不眠、乾燥肌に悩まされることも。頭痛や高血圧、脳卒中になりやすい体質のため、日ごろから健康に気を配りましょう。
軽やかでテキパキとした行動を促すヴァータですが、増えすぎると忙しさに歯止めがかからず、どんどん衝動的になっていきます。つい無駄な買い物を重ねてしまい、お金を浪費してしまうことも。そうすると、せっかく周囲に好印象を与えていたのが台なしになります。
また、ひどいときには躁鬱(そううつ)症状があらわれるのも注意したいポイント。気分的にも体力的にも安定せず、ストレスを受けやすくなってしまいます。軽やかに楽しく行動していたはずが、疲労感や緊張感から不安と恐怖がつのっていく。やがては空虚感に打ちのめされ、疎外感の中に追い詰められていく。そんなつらい思いをしてしまう方もいます。
「冷たい」「軽い」「乾く」などがキーワードとされているヴァータ。増えすぎると、手足が冷えてカサカサになったり、髪や頭皮の乾燥から、フケや枝毛がみられることも。うるおいには常に気をつけて、保湿・保温を心がけましょう。
健康面では、身体の痛みに悩まされることが多いでしょう。肩こりや腰痛、自律神経失調症、緊張性頭痛、生理不順や冷え性の悪化など、「現代病」といわれる症状に振り回されやすくなります。「動き」に関わるような体内の器官にも支障が生まれます。心臓や血管の流れなどの神経系、循環器系のトラブルには特に注意を払ってください。
ヴァータの増悪を防ぐためには、できるだけ規則正しい生活を送ることと、身体をきちんとあたためることが大切です。たとえば入浴も、シャワーで簡単に済ませるのではなく、浴槽のお湯に身体を浸からせるように心がけましょう。適度な運動も身体をあたためるため、おすすめです。
ヴァータには、増えやすい時間帯と年齢層が存在します。
時間帯は、14~18時と、2時~6時。
年齢層は、55歳を過ぎて歳を重ねるにつれて、ヴァータが増大していきます。
食事では、ヴァータを増やしにくい食事を心がけましょう。つまり、風と空のエネルギーが持つ「動性」「軽性」「乾燥性」などの性質とは反対の属性の食材、食事法を選ぶのが大切です。
たとえば、規則正しい時間に食事すること。食べ歩きをする、時間に追われてあわただしく食べるなど、不規則な時間に食事をとってしまうと、風のエネルギーが生まれてヴァータが増えていきます。ゆっくりと食べるのも、機敏な風の性質をおさえるために有効です。
身体が冷えやすいので、食事はあたたかいうちに食べてください。白湯も、温度の高いものをすするように飲みましょう。ヴァータの方は消化力が低いため、刺激がマイルドなショウガやフェンネルなどのスパイスを取り入れて、やさしく身体をあたためましょう。
ヴァータの方が苦手としている季節は、秋の半ばから冬にかけて。空気が冷たく乾いているため、体内のヴァータが増大して腰痛や乾燥肌を悪化させます。手足が冷たくなり、循環障害(高血圧や虚血性心疾患、脳血管疾患など)が起こりやすくなります。
3つのドーシャ(ヴァータ・ピッタ・カパ)のうち、ヴァータが増大することで起こる疾患は、最も多いといわれています。さらに、ヴァータが増大すると火のエネルギーを持つピッタも風であおられ増えるため、ピッタ性の疾患も起こります。わかりやすい例としては、老人性の乾燥性皮膚炎など。つまり、乾燥だけではなく、炎症まで続発してしまうのです。
冬の季節は、ヴァータを増やさないように、ヴァータの冷えと乾きをバランスする、あたたかさとうるおいのあると心がけましょう。身体を湿った温熱であたためるのがおすすめです。インドでは、オイルマッサージのあとに、薬草サウナに入って、身体をあたためるのがポピュラー。日本の場合は、薬湯や温泉(天然温泉が最適。人工温泉や入浴剤でも構いません)を定期的に利用するのがよいでしょう。
性格は、想像力と実践力に長けているものの、ストレスに対して不安と怒りが交互にやってきます。ヴァータとピッタの両方が持っている「軽さ」や「怒り」の性質が強調されるため、何事においても変化が激しいタイプです。
カパとヴァータの性質は正反対のため、性格は分裂した状態になりやすく、いきなり結論を出す傾向もみられます。
一方で、どのドーシャも乱れやすい欠点を持っているため、健康管理には細心の注意を払いましょう。
骨格も華奢で、スリムな人が多いヴァータ。花にたとえるならば、やわらかく繊細で、風によってなびいて動く冬の花、「水仙(すいせん)」がぴったりです。
型にはまらない想像力と、豊かな才能に恵まれたヴァータの皆さま。才能を正しく発揮できるように、ヴァータの増悪をしっかりと防いで、風のように、そして自由な鳥のように、どこまでも羽ばたいていく自分を手に入れていきましょう。
軽さや機敏さ、冷たさなどの性質が、性格や外見にどんな影響をおよぼすのか、美容健康にどうやって関わっていくのかなど、細かく解説していきます。
軽やか、テキパキ、自由人。ヴァータってどんな人?
性格の長所は?
風のように軽やかに動き、空のように自由な性格のヴァータ。想像力に富み、理解が早く、記憶力や順応性にも長けているのが特徴です。学校や職場、家庭においても、「都会的に輝く存在」として注目されることが多いでしょう。快活な気質がとても魅力的です。性格の短所は?
物事を率先して行う、行動力あふれるタイプではあるものの、長続きしないのが玉にキズです。風に吹かれるように気分も信念も変わりやすく、仕事も転職を繰り返します。計画的な行動が苦手で、お金を浪費する傾向がみられるので、要注意。外見の特徴は?
肉体的な特徴は、華奢で乾燥していること。身長は低いか、もしくは高くてすらりとした痩せ型、どちらかの場合が多いでしょう。たまご型の顔に、小さな目とわし鼻、大小不ぞろいな歯並び。のっぺりスッキリした顔立ちをしています。皮膚は冷たく乾燥しており、筋肉質ではないため、血管やじん帯が浮き出てみえる方もいます。
健康面の特徴は?かかりやすい疾患も
職業適性は?ヴァータのあなたにぴったりのお仕事
- ダンサー
- クリエイター、デザイナー
- 教育者
- 写真家
- 作家、ライター
- 建築、設計
ヴァータのバランスが崩れると?美容健康、心理状態への影響
体内のヴァータが増えすぎると、精神的に不安定になり、美容健康にも悪影響をおよぼします。以下では、ヴァータのバランスが崩れてしまったときの問題点をまとめてみました。日ごろの食事や生活習慣をととのえて、大切な心身の健康を守りましょう。衝動性や空虚感、躁鬱症状に気をつけて
また、ひどいときには躁鬱(そううつ)症状があらわれるのも注意したいポイント。気分的にも体力的にも安定せず、ストレスを受けやすくなってしまいます。軽やかに楽しく行動していたはずが、疲労感や緊張感から不安と恐怖がつのっていく。やがては空虚感に打ちのめされ、疎外感の中に追い詰められていく。そんなつらい思いをしてしまう方もいます。
美容面では、カサカサの乾燥肌に気をつけて
健康面では、「現代病」に気をつけて
バランスの乱れを防ぐために。ヴァータの生活処方箋
ヴァータのバランスが崩れてしまうと、さまざまな問題が発生するのがおわかりいただけましたでしょうか。ここからは、ヴァータの増悪を防ぐための生活の方法を紹介していきます。生活のポイントは「規則正しく」と「あたためる」
バランスが乱れやすい時間と年齢
時間帯は、14~18時と、2時~6時。
年齢層は、55歳を過ぎて歳を重ねるにつれて、ヴァータが増大していきます。
食事法、食材の選び方
たとえば、規則正しい時間に食事すること。食べ歩きをする、時間に追われてあわただしく食べるなど、不規則な時間に食事をとってしまうと、風のエネルギーが生まれてヴァータが増えていきます。ゆっくりと食べるのも、機敏な風の性質をおさえるために有効です。
身体が冷えやすいので、食事はあたたかいうちに食べてください。白湯も、温度の高いものをすするように飲みましょう。ヴァータの方は消化力が低いため、刺激がマイルドなショウガやフェンネルなどのスパイスを取り入れて、やさしく身体をあたためましょう。
苦手な季節の過ごし方
3つのドーシャ(ヴァータ・ピッタ・カパ)のうち、ヴァータが増大することで起こる疾患は、最も多いといわれています。さらに、ヴァータが増大すると火のエネルギーを持つピッタも風であおられ増えるため、ピッタ性の疾患も起こります。わかりやすい例としては、老人性の乾燥性皮膚炎など。つまり、乾燥だけではなく、炎症まで続発してしまうのです。
冬の季節は、ヴァータを増やさないように、ヴァータの冷えと乾きをバランスする、あたたかさとうるおいのあると心がけましょう。身体を湿った温熱であたためるのがおすすめです。インドでは、オイルマッサージのあとに、薬草サウナに入って、身体をあたためるのがポピュラー。日本の場合は、薬湯や温泉(天然温泉が最適。人工温泉や入浴剤でも構いません)を定期的に利用するのがよいでしょう。
ごま油が最適。オイルマッサージの取り入れ方
ヴァータの方には、オイルマッサージがとても有効です。ごまサラダ油(太白ごま油)やホホバオイルを人肌の温度にあたためて、身体をマッサージしましょう。あたため方は、電子レンジではなく湯せんがおすすめです。あたたかさとうるおいの力を併せ持つごま油は、冷たく乾燥しやすいヴァータの体質にぴったり。セルフマッサージはもちろん、施術を受けるのもよいでしょう。毎日のヨガの取り入れ方
毎日規則正しい時間に、ヨガのポーズと呼吸法、瞑想法を行いましょう。好きな香りや音楽を聴きながら、やすらげる雰囲気で、あせらずゆっくりと行うことが大切です。風が強い場所や寒い場所は避けて、あたたかい環境をととのえてください。前屈系のポーズが特におすすめ。ヴァータの混合3つのタイプ
多くの方は、1つの体質だけではなく、2つまたは3つの体質を複合して持っています。以下では、ヴァータに関わる混合体質の3つのパターンについて解説します。1.ヴァータ・ピッタタイプ
ヴァータとピッタの混合体質。冷え性ですが、熱いものにもあまり耐えられないのが特徴です。食欲旺盛で、大食をする傾向にありますが、すぐに胃腸の病気を起こします。性格は、想像力と実践力に長けているものの、ストレスに対して不安と怒りが交互にやってきます。ヴァータとピッタの両方が持っている「軽さ」や「怒り」の性質が強調されるため、何事においても変化が激しいタイプです。
2.カパ・ヴァータタイプ
カパとヴァータの混合体質。外見は高身長か低身長、いずれかに極端に分かれます。冷性が強いため、身体も心も冷たさに弱いタイプです。カパの頑強さや慈悲深さによって救われてはいますが、便秘や気管支炎、鼻炎などにはかかりやすくなります。カパとヴァータの性質は正反対のため、性格は分裂した状態になりやすく、いきなり結論を出す傾向もみられます。
3.ヴァータ・ピッタ・カパタイプ
3つのドーシャが同じ割合になっているヴァータ・ピッタ・カパタイプの方は、非常にまれな存在ですが、3つのドーシャのよさを表現できます。あるときはヴァータの持つ軽やかさと発想の豊かさ、あるときはピッタの持つ柔軟性と知性の鋭さ、あるときはカパの持つ持久力と慈悲深さを発揮します。一方で、どのドーシャも乱れやすい欠点を持っているため、健康管理には細心の注意を払いましょう。
ヴァータを花にたとえてみると?
型にはまらない想像力と、豊かな才能に恵まれたヴァータの皆さま。才能を正しく発揮できるように、ヴァータの増悪をしっかりと防いで、風のように、そして自由な鳥のように、どこまでも羽ばたいていく自分を手に入れていきましょう。