暮らしに活かすアーユルヴェーダ -ジッセン編-
アーユルヴェーダの体質別食事法。ヴァータ・ピッタ・カパの食事のポイントを一挙まとめ
アーユルヴェーダにおいて、食事は大切なキーワードです。それは、どんなに素晴らしい食事法でも、だれにでも良いという食べ方や食べ物はないと考えられるからです。たとえば季節や、そのひとの体質にあわせて、食事のとり方はがらりと変わります。
アーユルヴェーダで食事が大切な理由の一つは、体は食べたもので作られると考えられるからです。現代は、より一層食事に関して、重要性が増しています。それは、アーユルヴェーダが説かれた古代インドの時代は、大気汚染や土壌の質の低下、CO2の増加など、現代のような環境問題は現代のようにはない環境から生まれました。現代に生きる私たちは、環境汚染などの問題を加味し、昔よりも食事に関心を持ち、体を養っていく知恵を身につける必要があります。 また、アーユルヴェーダでは、「体は、食べものからできた鞘(さや)」だという考えがあります。食べもの一つひとつが、体という鞘をつくるので、美容健康を保つには、やはり食事はとても大切です。
いっぽうで、アーユルヴェーダでは、「これさえ食べれば健康」という食事法はありません。季節や体質、体調によって適切な食事が異なるため、食事法は多岐にわたります。昨今の食事法をすべて肯定しながら、個人差に応じてすすめるのが、アーユルヴェーダの特徴です。
また、冷え性の人が低体温に陥っているとき、もし体によいからと生ものや生野菜ばかりをとっていたら、さらに体を冷やしてしまいます。それが、アーユルヴェーダでいう「体調から考える食の大切さ」です。そのときの自分の体調と相談しながら、なにを食べるか選択する必要があります。
近年の欧米における肥満の研究では、遺伝子型によってバナナ型、洋ナシ型、リンゴ型という3つの肥満型に分けられ、それぞれに合ったダイエットをしないと、効果的に痩せられないことが分かってきました。この体質によって代謝量が異なるため、それに応じた生活指導が必要なのです。
インドでは驚くべきことに3500年以上前からそうした個人差に応じた治療が行われていました。それこそが、ヴァータ、ピッタ、カパの3つの本質やその日の体調に応じてバランスをとっていくアーユルヴェーダの食事法です。前途のバナナ型、洋ナシ型、リンゴ型は、それぞれヴァータタイプ、ピッタタイプ、カパタイプに近い概念と捉えることができます。これから紹介する体質別の食事を心がけ、消化力に応じた食事をとって、体力に毒を溜めず病気にならない生活をしましょう。
過去、様々な食事療法が流行っては消えていきました。油抜きダイエットなど、ここ数十年の間、様々な食事療法が流行りました。どれも一つの理論にのっとっているものです。ただそこで忘れてならないこと。それは、人には体質があり、ある人に良い食事が、万人に良いとは限らないのです。
先ほどの油抜きダイエットを、ヴァータが過剰な人が行うと、髪はばさつき、全身が冷えやすくなり、便秘などの症状を訴える方が出てきます。ただしカパが過剰になっている方にとっては、体が軽くなり、鼻水やむくみなどが軽減することがあります。ここで大切なこと。それが体質別食事法です。ここでは自分自身の体質を知ることから初めてみましょう。
ヴァータの食事療法のキーワードは、「温かい食事をとる」「適度に重さの性質ある食べ物を選ぶ」などです。
甘味・塩味・酸味・重性・油性・熱性を選ぶことがヴァータのコツ
甘味を構成する元素は、地と水の元素です。そのため甘味は冷性であっても、ヴァータとは、反対の性質を持つため、すすめられる味です。塩味や酸味は、火の元素があり、体を温める力を持ちます。また軽さと乾燥性を持つヴァータには、重性と油性は、反対の性質をもちヴァータをバランスするカギとなります。
甘味:自然の甘味を持つサツマイモやお米など
塩味:漬物、醬油の味付け
酸味:素材を三杯酢などにする
重性:焼くより煮物、炒めるなど
油性:バサついたものをしっとりさせる
熱性:温かいもの
好ましい食物
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ヴァータの食事法を紹介!食材、味など、アーユルヴェーダの体質別食事のポイント
火のエネルギーを持つピッタは、例えていうと真夏の鋭く照り付ける日差しのようなもの。火の性質は、熱く、乾燥して、軽い質があります。そのため、熱すぎるものやヒリヒリしたものばかり食べていると、ピッタが増えすぎて、増悪してしまいます。
ピッタのエネルギーが増えると以下の症状や病気を引き起こすことがあります。
好ましいものは冷たい食物や飲み物(ただし氷が入っていないもの)、十分な水分を取り、味は甘み、苦味、渋みがピッタには勧められる味です。甘味と苦味、渋味は身体の熱を冷ます作用を持っています。そのため火の元素のピッタに勧められる味です。
好ましい食物
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ピッタの食事法を紹介!食材、味など、アーユルヴェーダの体質別食事のポイント
カパを例えていうと春の雨上がりのぬかるんだ大地です。カパは地と水の元素からなる冷たく、湿った、重さの質を持ちます。そのため重くどっしりしたものはカパを増やすことになりますので、その反対の性質の食事を心がけます、火を通した温かい飲みものや食べものを中心に、少量で軽く、油分を抑えた食事が適しています。
カパのエネルギーが増えると以下の症状や病気を引き起こすことがあります。
カパの増大を抑えるためには毎日の食事への注意を払うことが欠かせません。
カパは、重さと粘りの質を持ちます。そのためカパを減らす食事には、カパの持つ重さには、軽さの質を取り入れ、粘りの質には、乾き、遅さには、速さ、冷たさには、温かい質を取り入れバランスを図ることがカギとなります。
好ましい食物
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カパの食事法を紹介! 食材、味など、アーユルヴェーダの体質別食事のポイント
*その他混合タイプには、ピッタ×ヴァータ、ピッタ×カパ、ヴァータ×ピッタ×カパタイプがありますが、ここでは割愛します。
参考文献:
「アーユルヴェーダ入門」
「これ1冊できちんとわかるアーユルヴェーダ」
アーユルヴェーダで食事が大切な理由の一つは、体は食べたもので作られると考えられるからです。現代は、より一層食事に関して、重要性が増しています。それは、アーユルヴェーダが説かれた古代インドの時代は、大気汚染や土壌の質の低下、CO2の増加など、現代のような環境問題は現代のようにはない環境から生まれました。現代に生きる私たちは、環境汚染などの問題を加味し、昔よりも食事に関心を持ち、体を養っていく知恵を身につける必要があります。 また、アーユルヴェーダでは、「体は、食べものからできた鞘(さや)」だという考えがあります。食べもの一つひとつが、体という鞘をつくるので、美容健康を保つには、やはり食事はとても大切です。
アーユルヴェーダにおける、『食事』の基本的な考え方
- できるだけ有機食物を選ぶ。有害な化学物質は、細胞を阻害し老化させます。
- 身土不二(しんどふじ)。住んでいる土地から、半径600km以内の場所で育ったものをいただきます。
- 季節の旬のものをいただく。旬のものは、新鮮でエネルギーに満ちています。
- ドーシャにあったものを選ぶ:体質、年齢、季節、時間などを加味する。
- 可能な限り、できたてのものをいただく。
- 食べ合わせに注意。牛乳と肉・魚・卵などの食べ合わせや、熱いものと冷たい物の食べ合わせは、悪い食べ合わせです。注意しましょう。
- 電子レンジは極力使用しない。
- よく噛んで味わう。
アーユルヴェーダでは、体質別に食事法が異なります
さまざまな食事法が提唱される昨今、美容や健康の効果を求めて、食事への関心が高まっています。マクロビオティック、完全菜食(動物性食品制限)、小麦と乳製品制限食、糖質制限食や断糖食、ローフード、ビーガン、油抜きダイエット、断食療法、一日一食主義など、その方法は多岐にわたります。いっぽうで、アーユルヴェーダでは、「これさえ食べれば健康」という食事法はありません。季節や体質、体調によって適切な食事が異なるため、食事法は多岐にわたります。昨今の食事法をすべて肯定しながら、個人差に応じてすすめるのが、アーユルヴェーダの特徴です。
どうして体質・体調別に食事を変えるの?理由を解説
たとえば、家族で同じものを食べているのに、すぐに太ってしまう人もいれば、まったく太らない人もいますよね。それが、アーユルヴェーダでいう「体質の違い」です。消化力や代謝力は、たとえ兄弟や家族でも個人差があります。なので、その人に適した食事の量・質をコントロールすることが大切です。いくら食べても太らない人をうらやむ人がいますが、それは消化力や吸収率に差があることの一例でもあるのです。また、冷え性の人が低体温に陥っているとき、もし体によいからと生ものや生野菜ばかりをとっていたら、さらに体を冷やしてしまいます。それが、アーユルヴェーダでいう「体調から考える食の大切さ」です。そのときの自分の体調と相談しながら、なにを食べるか選択する必要があります。
近年の欧米における肥満の研究では、遺伝子型によってバナナ型、洋ナシ型、リンゴ型という3つの肥満型に分けられ、それぞれに合ったダイエットをしないと、効果的に痩せられないことが分かってきました。この体質によって代謝量が異なるため、それに応じた生活指導が必要なのです。
インドでは驚くべきことに3500年以上前からそうした個人差に応じた治療が行われていました。それこそが、ヴァータ、ピッタ、カパの3つの本質やその日の体調に応じてバランスをとっていくアーユルヴェーダの食事法です。前途のバナナ型、洋ナシ型、リンゴ型は、それぞれヴァータタイプ、ピッタタイプ、カパタイプに近い概念と捉えることができます。これから紹介する体質別の食事を心がけ、消化力に応じた食事をとって、体力に毒を溜めず病気にならない生活をしましょう。
過去、様々な食事療法が流行っては消えていきました。油抜きダイエットなど、ここ数十年の間、様々な食事療法が流行りました。どれも一つの理論にのっとっているものです。ただそこで忘れてならないこと。それは、人には体質があり、ある人に良い食事が、万人に良いとは限らないのです。
先ほどの油抜きダイエットを、ヴァータが過剰な人が行うと、髪はばさつき、全身が冷えやすくなり、便秘などの症状を訴える方が出てきます。ただしカパが過剰になっている方にとっては、体が軽くなり、鼻水やむくみなどが軽減することがあります。ここで大切なこと。それが体質別食事法です。ここでは自分自身の体質を知ることから初めてみましょう。
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ヴァータの食事法・ポイントと注意点
ヴァータ体質では、ヴァータを増大させないような食生活が必要です。これはヴァータと反対の性質の食材や食事法をするということです。ヴァータの性質とは風の性質、つまり冷性、変動性、乾性などです。軽くて動きがあるヴァータをバランスするためには、軽さと動きを増やさないために温かく、適度にオイルを含み、落ち着いた環境でいただく食事を心がける必要があります。ヴァータが多くなっているときは、食欲にむらがあります。決まった時間に食べるのが苦手になるので、毎食の食事時間を決めて規則正しい食事を心がけましょう。ヴァータの食事療法のキーワードは、「温かい食事をとる」「適度に重さの性質ある食べ物を選ぶ」などです。
風のエネルギーの増大に気をつけて
風と空のエネルギーが持つ動性、軽性、乾燥性などの性質とは反対の属性の食材、食事法を選ぶことがポイントです。慌ただしく食べたり、食べ歩きしたり、不規則な時間に食事をとったりは風のエネルギーを受けヴァータが増えてしまいます。ヴァータのエネルギーが増えると以下の症状や病気を引き起こすことがあります。- 朝から疲れて消耗感がある
- 寝つきが悪く、睡眠が浅い
- 不安や心配な気分になりがち
- 考えがまとまりにくい
- 便秘や肩こり、女性の場合は生理不順などになりやすい
- 忘れっぽい
食材・味を選ぶポイント
ヴァータの性質である冷性の食物はヴァータを増大させますが、それを温めますとヴァータを増やさなくなります。乾性の食物はヴァータを増やしますが、それを油で炒めたり、ドレッシングをかけるとヴァータを増やす作用がなくなります。甘味・塩味・酸味・重性・油性・熱性を選ぶことがヴァータのコツ
甘味を構成する元素は、地と水の元素です。そのため甘味は冷性であっても、ヴァータとは、反対の性質を持つため、すすめられる味です。塩味や酸味は、火の元素があり、体を温める力を持ちます。また軽さと乾燥性を持つヴァータには、重性と油性は、反対の性質をもちヴァータをバランスするカギとなります。
甘味:自然の甘味を持つサツマイモやお米など
塩味:漬物、醬油の味付け
酸味:素材を三杯酢などにする
重性:焼くより煮物、炒めるなど
油性:バサついたものをしっとりさせる
熱性:温かいもの
ヴァータの人におすすめの食材
軽さと動きのバランスには程度な油性、重性、温性、湿潤性のものが大切です。- 甘味・酸味・塩味のものを優先的にいただく
- 温かい物をいただく
- 適度に油分を含むものをいただく
- 落ち着いていただく
- 最適な食材は穀類、豆類、温かい豆乳など
YES | NO |
スパイスの使用 | 生のもの |
適度に重くて、温かく、油分を含み、水分を含む食材 | 乾燥した食品 |
葉野菜をいただく | 冷たいもの |
決まった時間に食事をとる | 凍ったものや固いもの |
ヴァータを整える食物
ヴァータを鎮静化するのは甘味・酸味・塩味・重性・油性・熱性の食べ物です。好ましい食物
穀類 | 米類(軟かく炊いた胚芽米や発芽玄米)小麦製品、調理したオーツ麦、イーストを使わない柔らかいパン |
豆類 | ムング豆、大豆製品(お豆腐、納豆、豆乳など)、赤レンズ豆 |
野菜 |
大根、にんじん、かぶ、さつまいも、かぼちゃ、白菜、アスパラガス、きゅうり、オクラ、さやいんげん、 レタスなど葉野菜(少量)春菊、クレソン、香菜、からし菜 |
乳製品 | ほとんどすべてOK。ヨーグルトは水で薄める |
甘味料 | 麦芽・玄米水あめ、甘酒、黒糖、テンサイ糖、生はちみつ、メープルシロップ、デーツ |
油類 | とくにごま油、ギー、オリーブ油、ひまわり油、他のほとんどの油 |
ナッツ類 | 適量ならほとんどの種実類 |
スパイス |
ほとんどのものはOK。しょうが、クミン、カルダモン、フェンネル、黒コショウ、山椒、クローブ、 シナモン、アジョワンシード、オレガノ、タイム、ヒング、塩、レモン汁 |
果物 |
甘い果物、ブドウ、レーズン、甘いオレンジ、みかん、レモン、ライム、メロン、桃、イチゴ、 さくらんぼ、ベリー類、キウイ、デーツ、プルーン、プラム、パイナップル、マンゴーなど |
お茶 |
アジョワン、フェンネル、シナモン、クローブ、しょうが(生)、カモミール、 レモンバーム、ローズヒップなど |
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ヴァータの食事法を紹介!食材、味など、アーユルヴェーダの体質別食事のポイント
ピッタの食事法・ポイントと注意点
ピッタは熱と鋭さを持ちます。増悪を防ぐために、食事も熱と鋭さとは反対の性質のものをとりましょう。火のエネルギーを持つピッタは、例えていうと真夏の鋭く照り付ける日差しのようなもの。火の性質は、熱く、乾燥して、軽い質があります。そのため、熱すぎるものやヒリヒリしたものばかり食べていると、ピッタが増えすぎて、増悪してしまいます。
火のエネルギーの増大に気をつけて
熱性、鋭性、微油性、動性など火のエネルギーを持つピッタの人は熱い食べものや、ピリ辛のスパイスに注意しましょう。ピッタの人は体力や消化機能に優れ、代謝が活発です。そのため食事の量が多く、体重の増加が激しいことがあります。規則正しい食生活はもちろんのこと、量を控えめにすることも大切です。また、怒っているときや、イライラしているときに食事をしないように心がけてください。ピッタのエネルギーが増えると以下の症状や病気を引き起こすことがあります。
- 朝起きてすぐや夜間に空腹感が強い。
- いらいらして批判的・攻撃的になる
- 何事にも満足せず、空虚感を覚える
- 汗が多くなる
- 体臭、口臭がきつくなる
- 常に時間が気になる
- 刺激的な快楽をむさぼる
食材・味を選ぶポイント
ピッタを減らすことで有名な食材としては、牛乳などの乳製品ですが、ピッタを増やすことで有名なのが、お酒とヨーグルトですので、これらの食材の取り過ぎは注意しましょう。ピッタを冷ます効果を持つ食材の味は、甘味、苦味、渋味ですので、果物や野菜(甘味と苦味、渋みを持つ)はおすすめです。特に野菜や果物は生で食べますので、ピッタの熱性も抑えることになります。好ましいものは冷たい食物や飲み物(ただし氷が入っていないもの)、十分な水分を取り、味は甘み、苦味、渋みがピッタには勧められる味です。甘味と苦味、渋味は身体の熱を冷ます作用を持っています。そのため火の元素のピッタに勧められる味です。
- 甘味:スイカ、メロン、梨、ぶどう
- 苦味:緑黄色野菜、ニガウリ
- 渋み:抹茶
- 冷性:夏野菜
ピッタの人におすすめの食材
熱と鋭さの性質をもつピッタをバランスには、適度に冷性さとマイルドな性質をもつものが大切です。- 甘味・苦味・渋味は冷性の質です。優先的にとるように心がけましょう。
- 常温のものをいただく。辛すぎたり、熱すぎるものは火の性質を高ぶらせます。
- 食事中は、特に穏やかな気持ちでいただきましょう。決してイライラしたりしているときに、やけ食いとばかり食べないようにしましょう。
- 採れたてや出来立てなど新鮮な素材をいただきましょう。
- 最適な食材は、穀類、ウリ類などの夏野菜、水分を含んだもの
YES | NO |
サラダを食べる | 酸味・塩味・辛味のものの食べ過ぎ |
冷ます素材 | アルコール |
穏やかな環境でいただく | 肉食・フライもの |
ピッタを整える食物
ピッタを鎮静化するのは甘味・苦味・渋味・冷性の質の食べ物です。好ましい食物
穀物 | 米、小麦、あわ、ひえなどの雑穀、大麦、オーツ麦 |
豆類 | 豆腐などの大豆製品、ソラマメ、グリーンピース、ムング豆、ひよこ豆 |
野菜 |
アスパラガス、オクラ、かぼちゃ、ごぼう、カリフラワー、キャベツ、きゅうり、ごぼう、こんにゃく、さつまいも、白菜 さやいんげん、ズッキーニ、セロリ、ダイコン、ナス、ピーマン、ブロッコリー、ホウレンソウ、もやし、レタス、れんこん |
果実 |
アプリコット、いちご、いちじく、柿、キウイ、さくらんぼ、ざくろ、すいか、なし、パイナップル、ぶどう、 レーズン、プルーン、メロン、もも、ライム、洋ナシ、酸味の少ない柑橘類 |
乳製品 | ギー、牛乳 |
油 | ギー、オリーブ油、ひまわり油、ココナッツ油 |
スパイス | 全体的にピッタを増やすが、コリアンダー、カルダモン、サフラン、ターメリック、シナモンは適度にOK |
ハーブ | ミント |
肉と魚 | 食べるなら鶏肉、小エビ、ターキーを少量 |
水分 | 青汁、フルーツジュース、生野菜、くだもの |
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ピッタの食事法を紹介!食材、味など、アーユルヴェーダの体質別食事のポイント
カパの食事法・ポイントと注意点
カパの性質とは重性、冷性、油性、湿性です。カパを例えていうと春の雨上がりのぬかるんだ大地です。カパは地と水の元素からなる冷たく、湿った、重さの質を持ちます。そのため重くどっしりしたものはカパを増やすことになりますので、その反対の性質の食事を心がけます、火を通した温かい飲みものや食べものを中心に、少量で軽く、油分を抑えた食事が適しています。
地のエネルギーの増大に気をつけて
重性、冷性、油性、湿性という地のエネルギーをもつカパの人は、カパを増やす甘味、酸味、塩味の食べ物は少なめにしましょう。特に冬から春にかけてのカパの増える季節には控えることが大切です。食後に水分を取り過ぎるのはNGです。体格がよいものの、未消化物を溜めやすいのがカパの人。ダラダラ食べるとカパに悪影響となりますので間食は控えましょう。小食を心がけ定期的にプチ断食をするなど、毒素を溜めないことが大切です。カパのエネルギーが増えると以下の症状や病気を引き起こすことがあります。
- 朝から体が重く、眠気が取れない
- 寝すぎる
- 行動や思考が緩慢になる
- 内向的な暗い気持ちになる
- 食後に眠くなる
- 自分を必要以上に卑下する
カパの増大を抑えるためには毎日の食事への注意を払うことが欠かせません。
食材・味を選ぶポイント
軽い食事が適当です。特に朝は水分(温かい野菜スープ)だけでよいでしょう。また冷たい食事ではなく十分に温めて。またトウガラシなどのスパイスは体を温めるのでカパの人には特におすすめ。辛味の強いスパイスを十分に利かせて、苦みや渋みの野菜を温野菜で十分にとるとよいでしょう。カパは、重さと粘りの質を持ちます。そのためカパを減らす食事には、カパの持つ重さには、軽さの質を取り入れ、粘りの質には、乾き、遅さには、速さ、冷たさには、温かい質を取り入れバランスを図ることがカギとなります。
- 温かい食べ物:生のものよりも、低温で蒸したものや焼いたものなど温かい食べ物
- 辛味のもの:味はスパイス等の辛味
- 苦味・渋味のもの:山菜類などは、苦味と渋みには、カパとは反対の軽さと動きの風の質があるのでカパに向いた味です
- 油分の少ない軽い食事がポイント:カパの重さの質には、過剰な油分は重すぎます
カパの人におすすめの食材
重さと遅さのエネルギーをもつカパのバランスには、適度な軽さと速さが大切です。- 辛味・苦味・渋味のものを優先的にいただくようにしましょう。
- 五感を駆使していただくようにします。味だけでなく、香りや触感などを大切にしましょう。ながら食べやだらだらとした食べ方にならないように注意が必要です。
- 水分は食前か食事中にとるようにしましょう。食後の水分には控えましょう。
- 甘味をとる場合は、加熱していないはちみつを選ぶようにしましょう。
- 最適な食材は、辛味の香辛料、葉野菜、海苔などの海藻類など
YES | NO |
野菜をたくさん食べる | 甘いものや塩辛いものの食べ過ぎ |
温サラダ | 乳製品 |
乾燥したものや、軽いもの | フライもの |
スパイスを効かせる | 凍ったもの |
カパを整える食物
カパを鎮静化するのは軽さ・辛味・渋味・苦味の質の食べ物です。好ましい食物
穀類 | 古米、あわ、ひえなどの雑穀、大麦、トウモロコシ、そば、ライ麦 |
豆類 | 乾物 |
野菜 |
かぶ、カリフラワー、きゃべつ、ごぼう、こんにゃく、さやいんげん、ズッキーニ、ダイコン、ナス、 ニンジン、白菜、ブロッコリー、ホウレンソウ、もやし、のり、ひじき |
果物 | いちご、いちじく、柿、ざくろ、すいか、りんご |
乳製品 | スキムミルク、低脂肪乳 |
油 | コーン油、アーモンド油、いずれも少量 |
ナッツ | ひまわりの種、くるみ、皮をむいたアーモンド |
甘味料 | 生はちみつ |
スパイス | ほとんどすべてがOK、特に料理にはショウガを使うように |
肉類 | とるなら鶏肉、ターキー |
多種多様な温野菜、あたたかい食べもの |
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カパの食事法を紹介! 食材、味など、アーユルヴェーダの体質別食事のポイント
混合タイプの場合の考え方・注意点は?
体質は、一言でヴァータ体質、ピッタ体質、カパ体質とひとつではなく、ヴァータ・カパ体質などのように混合している場合のほうがむしろ多いでしょう。混合タイプ【ヴァータ×ピッタタイプ】の場合
ヴァータとピッタに共通するのは、「速さ」の性質を持つこと。そのため、ヴァータとピッタが優勢の混合タイプの場合は、「速さ」に注意します。ゆっくり噛んでいただくことが基本です。また共通の味は甘みです。秋の季節はピッタにヴァータが増えてくる季節です。この時期の旬のものには、新米やサツマイモなどのようにピッタとヴァータを調整する旬のものが多いです。混合タイプ【ヴァータ×カパタイプ】の場合
ヴァータとカパに共通するのは、「冷たさ」の性質を持つこと。そのため、ヴァータとカパの混合タイプの場合は、「冷たさ」に注意します。生ものや生野菜など体を冷やす食材を控えることが基本です。春先、花冷えとも呼ばれる季節には、冬のヴァータの冷えが溶け出し、さらにカパの重さが加わり冷えが出やすくなります。春先の季節には、蒸す、焼くなど体を温めるような食べ方が勧められます。混合タイプ【カパ×ピッタタイプ】の場合
カパとピッタに共通するのは、「油分」の性質を持つこと。そのため、カパとピッタの混合タイプの場合は、「油分」に注意します。揚げ物や脂肪分などの食事法や食事を控えることが基本です。ムシムシした気候などは、カパの湿り気とピッタの熱が増えやすくなります。ピッタの食欲に、カパの蓄積が加わるとどっしりした体つきに加速がつきます。そのようなカパ・ピッタには油をとりすぎない食べ方が勧められます。*その他混合タイプには、ピッタ×ヴァータ、ピッタ×カパ、ヴァータ×ピッタ×カパタイプがありますが、ここでは割愛します。
参考文献:
「アーユルヴェーダ入門」
「これ1冊できちんとわかるアーユルヴェーダ」