暮らしに活かすアーユルヴェーダ -ジッセン編-
アーユルヴェーダのオイルマッサージ。効果と方法、体質別の注意点など解説
老廃物をきれいに排出!オイルマッサージとは?
ただマッサージするだけでもよいのですが、おすすめなのはオイルマッサージ。体質や体調に応じてオイルを選び、マッサージしたい部位に塗り、体をほぐします。オイルに含まれたビタミンなどの有効成分が、肌に浸透してさらなる効果を引き出します。
今回は、オイルマッサージの効果や方法、オイルの選び方から作り方にいたるまで、わかりやすく教えます。
オイルマッサージから得られる7つの効果
効果1.デトックス効果
さらにマッサージによって体内のアーマ(毒素・未消化物)を排泄していく働きがあります。マッサージは体内物質を刺激しタンパク質の合成を呼び覚ましさまざまな種類の糖をブドウ糖に変え、酸素を作り出していき体内におくり届けていくからと考えれるのが理由です。結果として神経、内分泌系、血液循環、リンパ系などの働きが向上し、デトックスの効果が期待できます。
効果2.リラックス効果
人は生まれたときから抱っこや授乳時に母親の肌に触れることで、不安や緊張を緩和してきました。だから、ハグすると安心感が得られるのです。ましてや、ゆっくりした呼吸に合わせたタッチ、良質のオイルと薬草およびアロマなどの働きが加われば、緊張がさらに緩和されていきます。
効果3.肌が潤い、ハリ・ツヤが生まれる
効果4.疲労回復
オイルマッサージは白血球と抗体を増やし、感染やウイルスに対する抵抗力をあげ、疲労物質を除去するともいわれています。
また、アーユルヴェーダでは、ヴァータが運ばれる管の流れを阻害されると、痛みが発生すると考えます。なので、オイルマッサージの摩擦で熱を起こし、体内の風を循環させることが大切です。緊張をゆるめ、疲労の痛みが緩和されます。
ほかにも、精神的な緊張から生じた疲労には、心地よい香りのアロマオイルでのヘッドマッサージが有効です。その場合ビャクダンなどがよく使用されます。
また、アーユルヴェーダでは、ヴァータが運ばれる管の流れを阻害されると、痛みが発生すると考えます。なので、オイルマッサージの摩擦で熱を起こし、体内の風を循環させることが大切です。緊張をゆるめ、疲労の痛みが緩和されます。
ほかにも、精神的な緊張から生じた疲労には、心地よい香りのアロマオイルでのヘッドマッサージが有効です。その場合ビャクダンなどがよく使用されます。
効果5.体力アップ
効果6.視力の改善
頭や足の親指をマッサージすると、特に火の要素が調整され、目の機能が高まるとされています。アーユルヴェーダでは、目は外の情報を、火の力を使って取り入れていると考えます。それは、目が明るいものを認識することから想像できる考えかと思います。なので、たとえば体内の消化の火の強弱が作用し、ピッタが悪化すると、目がトラブルを起こすのです。
効果7.深い眠りへと誘う
頭のマッサージは、特に眠りをまねく効果的な方法です。また、足へのやさしい摩擦は、心の動揺を鎮める効果もあります。なので、不眠や睡眠が浅い方は、家族の手を借りて、就寝前に体のマッサージを受けるのがおすすめです。むずかしい場合には、セルフマッサージで、特に頭と足と耳の三点をやさしくいたわりましょう。良質なオイルを使って、自分にごほうびを与えるようにマッサージしてみてください。
※なお、ここで紹介した効果は個人の感想に基づいており、個人差があるため、あらかじめご理解ください。
まずはマッサージオイルを作ろう。手順とポイントは?
「ごまサラダ油」を用意しよう
ごま油には、料理で使われる茶色の「焙煎ごま油」と、生のごまをしぼって作る「ごまサラダ油」の2種類があります。マッサージで使うのは後者。透明でにおいもありません。日本では、竹本油脂から販売されている「太白胡麻油」、かどや製油から販売されている「純白ごま油」の2つがマッサージオイルに適しています。
これからは「コメ油」もおすすめ
また、最近ではスーパービタミンEを含有する「コメ油」が、ごま油以上の効果を認められてきました。国産なので安心して使用できる「コメ油」は、キュアリングの必要もありません。これからのオイルマッサージにおすすめです。「キュアリング(加熱)」しよう
さて、用意したごまサラダ油ですが、以下の手順をみながら、キュアリング(加熱)をほどこしてください。加熱することで、皮膚に浸透されやすくなり、不純物もとばされます。●手順 ①
「太白胡麻油」または「純白ごま油」1ビン(500ml)を鍋に入れ、弱火であたためます。
●手順 ②
温度計で静かにかき混ぜながら、105~110℃になったところで火を消します。
●手順 ③
そのまま20~30分冷まし、あら熱がとれたら、ビンや密閉容器に入れます。冷暗所に移して保存しましょう。
●手順 ④
使用するぶんのオイルを湯せんで40~50℃ほどの温度にあたためます。なお、簡易とはいえ電子レンジでの加熱はおすすめできません。湯せんが面倒な方は、手のひらにオイルを乗せて十分にあたためるようにして使ってみてください。
これでマッサージオイルのできあがり!
ほかのオイルとなにが違う?ごま油が選ばれる理由
★すぐれたエネルギーを持つ万能オイル
本来なら、オイルは自分の体質・体調に応じて選びます。なのに、ごま油が一般的に頻用されているのは、酸化しづらく保存性にすぐれ、体に作用する成分も多いから。ほかにも、「冷え」と「乾燥」の毒を取り除いて、「あたたかさ」と「潤い」を与えてくれます。活性酸素を取り除く成分も含まれているので、アンチエイジングにもなるという、いいことずくめのオイルなのです。
★古くから重宝されてきた「悪魔の養生薬」
歴史をさかのぼれば、古くからごま油が重宝されていたのがわかります。アーユルヴェーダの古典「チャラカ・サンヒター」は、ごま油について「ヴァータを滅し、カパを増大させず、体力を増大させ、皮膚によく、温性であり、四肢を丈夫にし、子宮を浄化する」とほめたたえています。さらには「そのむかし、悪魔の主たちは、ごま油を常用することによって老衰することなく、病気を離れ、疲れを克服し、戦いにおいて極めて強力になった」との記述もあり、「悪魔の養生薬」としても知られています。
こんなあなたはちょっと待った!ごま油を使うときの注意点
●ピッタ体質の人
●ピッタ過剰な人
●ごまアレルギーの方
ごま油にはピッタを増やす作用があるので、ピッタ体質やピッタ過剰の人には使えません。ごまを食べると発疹がでるごまアレルギーの人は、アーユルヴェーダの観点からみると、ピッタ体質あるいはピッタ異常を起こしているのかもしれません。ピッタの人は特殊なクーリング作用を持つココナッツオイルやオリーブオイルを使うのがよいでしょう。
オイルマッサージをやってみよう。部位別の手順と方法
オイルも用意できたところで、さっそくオイルマッサージをやってみましょう。以下では、毎日やりたい4つの部位の手順と方法を紹介します。本場インドでも習慣になっている4つの部位は、短い時間でも効果があるので、いきなり全身からではなく、できる部位からはじめてみましょう。毎日やりたい部位① 耳
また、耳の穴の周辺は、副交感神経を支配する領域です。圧迫することで迷走神経反射が発生します。胃腸の動きが変わり、食欲が落ちてダイエット効果も期待できます。
●マッサージの方法・所要時間
耳の前後、内側、耳たぶを親指と人さし指でつまんでマッサージ。体の代謝が上がります。所要時間は2分ほどです。毎日やりたい部位② 足
●マッサージの方法・所要時間
足部は主に4つの部位に分けられます。すべてマッサージして、所要時間は5分ほど。★足の裏
土踏まずから足の指先を中心に、足裏全体を強めにマッサージします。★かかと
かかとの内側を中心に向けて押していきます。足裏を数カ所、横方向に押します。★ふくらはぎ
足首からひざまで数回なで上げます。骨のきわに沿い、手のひらで押します。★ひざ
ひざの足のつけ根をなで上げます。内ももと足のつけ根を中心に向けて押します。毎日やりたい部位③ ヘッド
アーユルヴェーダの古典においても、側頭部は体内でもっとも優位な場所として記述されています。
●マッサージの方法・所要時間
マッサージはいくつかの手順に分けられます。すべて含めて、所要時間は5分ほど。【頭へのオイルのつけ方】
オイルを綿にひたし、頭頂部に乗せます。その後、数回呼吸し、綿を持ち上げて頭にしぼります。ヘッドマッサージの手順①
右手を頭頂部、左手を額に置きます。右手は後頭部から右耳へ、左手は左耳へなで下ろします。ヘッドマッサージの手順②
指と手のひらのふくらみを頭に押しあて、上から下へ数回もみほぐします。ヘッドマッサージの手順③
後頭部から首にかけての凹みを親指で強く押し、さらに外側を押します。ヘッドマッサージの手順④
両手の指で髪をつかみ、ギュッと持ち上げて、ふわっと力を抜きます。これを数回繰り返しましょう。小さくつまんで、持ち上げてもよいです。ヘッドマッサージの手順⑤
オイルは流さずそのままシャンプー、またはヘナシャンプー。毛穴に詰まった汚れを落としてくれます。毎日やりたい部位④ 顔
●マッサージの方法・所要時間
マッサージはいくつかの手順に分けられます。すべて含めて、所要時間は8分ほど。顔マッサージの手順①
親指をあごの下に、残りの指はあごの骨の少し上にあて、あごに沿って耳までさすります。顔マッサージの手順②
耳の後ろのツボ「完骨」を親指でギュッと押さえます。顔マッサージの手順③
口角から顎関節の下、口角の上から顎関節、小鼻から顎関節の上の3ラインをさすります。顔マッサージの手順④
人さし指、中指、薬指で、小鼻の横から鼻筋、まゆの下、こめかみまでさすります。顔マッサージの手順⑤
指の腹を使い、目尻からこめかみ、まゆから頭皮を強めにさすり上げます。顔マッサージの手順⑥
こめかみから目の下、鼻筋、まゆの下、再度こめかみまでさすります。顔マッサージの手順⑦
目尻を髪の生え際に向けてグッと押し上げ、やさしく元に戻します。顔マッサージの手順⑧
最後に、自分を美しくするエネルギーを手のひらに集め、顔にあてるように両手で頬を包み込みましょう。体質別に力加減を変えてみよう!
オイルマッサージをするとき、ドーシャの体質・体調に合わせて力加減を変えると効果的です。脈診でドーシャのバランスをみながら、以下のようにタッチを加減しましょう。★ヴァータの人はおだやかなトリートメントを!
軽さと動きの性質を持つヴァータには、重くゆったりとしたやさしいタッチ。毛穴に沿ってゆったりと長いストロークで手を動かし、体をあたためていきます。オイルもきちんとあたためて使いましょう。★ピッタの人はクールなトリートメントを!
ピッタはシャープな性質を持つため、鋭い刺激ではなくマイルドなタッチでのマッサージがおすすめです。毛穴に沿って手をくるくると回すことで、体をリラックスさせます。オイルの温度は高くはしません。★カパの人は刺激するトリートメントを!
カパは重い性質からアンバランスが引き起こされるため、少しリズミカルな速めのタッチが向いています。毛穴に逆らって、擦るように刺激。摩擦を起こして循環を高めます。オイルなしのマッサージもよいでしょう。こんなあなたは気をつけて!オイルマッサージをするときの注意点
なお、オイルマッサージをするときには、万が一のトラブルが起こらないよう、以下の3つの注意点を守ってください。- オイルマッサージのあとにすぐにシャワーで流すと、ジトジトしたり、詰まったりすることがあるので、乾いたタオルでオイルをふきとってから流しましょう。
- 食後すぐ、生理中、熱があるとき、体調の悪いときは控えましょう。
- 肌が弱い人、アレルギーのある人は、腕の内側などの目立たないところに3日ほど毎日少量のオイルを塗って、反応をみてから行いましょう。